シリコンバレー駐在:子供の学校2016年02月12日 10:13

シリコンバレー駐在が決まると、家族帯同か単身かで悩みます。
こちらは、いわゆる日本人学校がありません。そのため、子供は皆、地元に住んでいる子供と同じ現地校に通うことになります。英語も話せないのにいきなり現地の学校に通わされることになります。子供はすぐ慣れるよと大人は気軽に言いますが、子供にとっては、今まで自由に母国語でコミュニケーションを取れていたのに、それができなくなるというストレスは半端なものではありません。
と言いながら半年もすれば慣れてくるんですが。。。シリコンバレーは、名だたるIT企業が多く、インド人や中国人などITエンジニアが多く渡ってきます。また、メキシコからの移民も多く、親も含めて英語もろくに話せないで来る人は多くいます。(自分もその一人ですが。。。)
まず、海外から転校するお子さんは、入学前に、ELD(English Language Development)のテストを受けさせられます。全然、英語が話せない、理解できないお子さんは、5分で終わってしまいます。そのテストの結果が、ELDをとるか否かの判断をされます。
うちの子は英検準2級を取っていて、ELDの試験も1時間ほどやったそうですが、結果は、5分で終わるお子さんと同様のELD1という一番下のクラスでした。まあ、日本で英語の勉強をしていたとしても、かなりのレベルにないと、ELDを免除されませんし、ELD2、3などの上のクラスにはいけません。まあ、結局、日本からこちらに来る場合は、ELDは受けるという前提で来ればいいと思います。ELDは毎日1時間あるわけですから、まあ、クラス学習とはいえ、学校が毎日英語の補習を1時間してくれるということなので、それはそれでいいことだと思います。
Cupertino学区のMiddle Schoolでは、ELDをとる必要があると判断されると、6時間のレギュラーの授業に加えて0時間目をアサインされて7時間/日の授業をアサインされます。ELD、Language Arts(国語)、Social Science(社会)、Math、Science、PE(体育)、Selective(選択)になります。
※Elementaryはまた違うと思います。
選択授業は、オーケストラ、バンド、コーラスなどいくつか選ぶことができます。おそらくですが、ELDをとって、選択を取らないで6時間というパターンもあると思います。うちの娘は、オーケストラを選択し、バイオリンを始めました。こちらは毎日、金太郎飴のように7時間の授業は同じ時間割になります。そのため、オーケストラとかバンドを選択した場合、毎日、その楽器のレッスンを受けられることになります。日本ではめったにできない体験ですので、選択授業の受講はお勧めします。(ただ、楽器はレンタルする必要があります。ちなみにバイオリンは20ドル/月でした。)
ELDを取っている生徒は、レギュラーの授業でも宿題などを多少おまけしてくれるようです。若干、成績も甘めになるのかな。

さて、一番気になるのは、自分の子供は何年生なの?ということです。Cupertinoの場合、12/4が境で学年が決まるようです。新学期は、8月中旬から。学期末は6月中旬です。12/4より前に生まれているお子さんは、こちらに来ると、二学期分飛んで上の学年にいきます。12/4以降の場合は、一学期分遅れて同じ学年になります。うちの子供は、小学校6年生の一学期が終わってからこちらに来ました。なので、夏休み明けから中学校1年の新学期という形になりました。一緒に入ったお子さんは、上級生ですが、12月生まれのため、娘と同じ学年です。
Cupertinoの場合、Elementaryが5年、Middleが3年、High Schoolが4年です。娘の場合、こちらに来て、7学年の新学期。つまり中学校2年の新学期からスタートでした。で、今年の6月でMiddle Schoolを卒業することになります。まだ日本でいうと中2の一学期が終わっただけなのに、Middle Schoolを卒業です。まあ、High Schoolほどではないですが、卒業にはいろいろなイベントがあって楽しいようです。それに加えて、その後には、High School生活を送ることができます。娘にとっては、あと1年半の米国生活で1年間高校を経験できるのは嬉しいようです。
12/4前に生まれた人は日本の二学期分を飛ばして上の学年に行けるという話ですが、おそらくうちは、娘が9学年を修了した時点で日本に戻ります。中3の一学期が終わった時点で日本に帰るわけですが、一番のメリットは、中学校卒業相当と判断され、高校受験を受けることが出来るということです。中3の二学期、三学期に学校にいかなくても受験を受けることができます。これは大きなメリットです。ですが、例えば、もっと滞在が延びる場合、高校へ編入できるチャンスは、高校1年までで受け入れてくれるところが少ないというデメリットもあります。また、最近は、中高一貫校ばやりで、高校から入ることが出来るような学校も少ないということもあります。2年以上海外で生活していれば、帰国子女枠で受験ができます。これは、社会・理科などを受けなくても英国数で受験が出来る制度です。帰国子女枠についても、昔ほど受け入れてくれる学校が多くはないので、こちらにいる時にしっかり勉強をしていないと苦労をするようです。
いずれにせよ、自分の子供がこちらに来たら何年生になるのかということをちゃんとチェックし、帰任のころにはどうなっているのかを確認した上で、家族帯同かどうかを決める必要があります。うちの会社の場合、最大で1年間は家族が残るという措置もとれるようですが、結局、そのためには、妻が残るためにビザを自費で取得することになります。そのビザも学生ビザなので、学校に通って単位を取らなければいけないなどいくつかの制約もでてきます。
こちらの教育は、日本とは全く違います。決まった答えを求めるのではなく、考え方とか答えのない問題がでます。そういう貴重な体験もできますし、何しろ生きた英語の中で生活ができるということも子供の教育にプラスだと思います。ただ、家族同伴で来るのと単身でくるのだと自分の負担も違うと思いますし、配偶者の負担も大きいと思います。日本と違い、子供は単独では行動できません。留守番もさせることができません。でも世の中には、高額なお金を払っても、ホームステイさせたり留学させたりしている方がいるわけですから、駐在で来て家族と一緒に生活するというのはとてもいいことだと思います。

授業は、毎日、金太郎飴で、毎日、宿題が出ます。各教科の先生は別なので、他の先生が宿題を出しているかどうかは気にしません。そのため、宿題は大変な時もありますし、そうでもない時もあります。また、こちらは週末や休みは、家族と過ごすことを大事にしており、案外、金曜日や連休前には宿題が出されないことが多いです。
駐在の心構えとして、会社はあまり残業しないで早く帰り、家族と一緒に夕食をとり、その後に、子供の宿題をみる。その後に、日本とやり取りとかたまった仕事を自分の家でやるというものだと教えられました。ですが、子供の学校が始まり、宿題が出始めると、家で仕事なんてできません。世界史の宿題なんか、教科書13ページを読んでサマリーを書いてもってこいなんていう宿題が出ますが、そもそも理系に入ったのが歴史とかが苦手という部分もあったりします。アメリカの歴史の授業は、日本と違い、アメリカの文化などと絡めて説明されているので、親も理解するのに奮闘をします。最初の頃は、夜12時、1時まで一緒に宿題をやって苦しみました。(そのうち、娘がコツをつかんでくるとともに、親と一緒にやると要領を得ずに時間がかかるので、一人でやるようになりました。)今では、数学と理科くらいしか聞かれなくなりました。
宿題ですが、日本と違いルーティンをこなすのではなく、自分で考えてくるということが多く、教える方もどうしたらいいのか途方にくれることがあります。また、数学なども、例えば、0で割るなど答えが出ない問題も出されます。答えはないというのが答えなんですが、最初は、娘もそんな問題は出るはずがないなどと納得していませんでした。
宿題については、毎日出るもので大変ですし、提出しないと成績も悪くなります。学校の無断欠席や宿題の未提出は、義務教育といえども退学の対象になるので気をつけたほうがいいかな。いずれにせよ、最初は、英語が全く分からない状況で、苦労しますが、日が経つにつれて、子供は親を抜くので、宿題の手伝いを求められることは少なくなってきます。
学校生活は、楽しいようです。やはり同じ立場の日本のお子さんもいらっしゃるのでそういう子と仲良くなるみたいですね。Cupertino学区の場合、9割がアジア人でその9割がインド人と中国人です。アメリカに赴任する頃は、日中関係もぎくしゃくしていて、中国人にいじめられるんじゃないというような心配もありましたが、こちらに来ると、中国人の方はとても親切で娘も仲良しの友達が何人もいるようです。中国人といっても、大陸から移り住んでいる方、Chinese-American、台湾から来た人、シンガポール人と一括りにするのは乱暴ですが。。。いずれにせよ、自分や娘の周りでは、いわゆる人種差別のようなことは起きていません。ただ、娘が気にしていたのは、日本人同士の会話。日本人のほうが逆に陰口を言ったりしているようです。確かに、世界的にも並ばない国の人という話になると中国、ロシア、韓国の人がそうだ。。。というような話はあるんですが、でも、こちらで生活しているアジアの方は、みなさん、礼儀正しく、逆に日本人のほうが出来ていないなという感覚にもなるので、あまり先入観で見るのもよくないと思います。

ところで、アメリカの場合、12歳までは子供だけで家に留守番させたり、車に残したりすると、警察に通報されます。その割には、会社で主催されるパーティーなどは子供を連れて行くことはできません。なので、ベビーシッターをやとったり、誰かに預かってもらうようなことをしなければいけません。学校の送迎も、基本は車でやることになります。日本の場合、子供同士でどこかに遊びに行くというパターンがありますが、アメリカではそれが許されません。したがって、休みの日は、親と一緒に行動することが多くなります。ファミリーでの生活が基本となるので、親子のきずなが深まると思います。
また、私たちのオフィスは、個室です。そのため、奥さんが忙しいときとかには、子供を学校でピックアップして、そのまま会社に戻ってオフィスで宿題をさせるなどのことが許されます。まあ、子供にとっても、案外快適な環境が提供されるので、親の会社に行くことに関しては、嫌ではないようです。それに、親の働いている環境を見せることができるので、いい機会だと思います。自分の場合、日本にいるときは、朝、7時前に出て、夜は11時過ぎに帰ってくる毎日で、週末以外に顔を合わせる機会がありませんでした。こちらに来たら、朝、学校には自分が送っていき、夜も一緒にご飯を食べるという生活に代わりました。「リストラされたの?」と聞かれたこともありますが、自分のオフィスを見せて安心したようです。

現地校に通うと、日本語の勉強や日本の歴史など勉強する機会がなくなります。ベネッセのような通信教育をやったり、塾に通わせたりといろいろ工夫をしているようです。日本語補習校というものがベイエリアに会って日本の学期に合わせて編入をすることができます。こちらは毎週土曜日にあります。他には三育学院というところが同じような主旨であります。こちらは火木の夜に授業があり、現地校の宿題が多いときは地獄だと聞きます。うちの場合、小学校の卒業証書が欲しかった。(正式なものではないんですが。。。)ので、小学校は通わせました。ですが、現地校での勉強に専念させるということと、案外、現地校で友達が出来たこともあって、中学校は行かせていません。といいながら、最近では、慣れてきたので日本語補習校に通わせようと思っているのですが、現在、定員オーバーでWaitingです。

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